L'homme du destin 〜運命の人〜 花より男子二次小説

花より男子二次小説。漫画の展開からのタラレバ話を世代を超えてつくってみました。自己満足レベルなので、あしからず。

第2章①

20人分のコーヒーを両手に下げて、

稑がコーヒーショップから出てきた。

 

社内のコーヒーマシーンの調子が悪く、

午後の会議に間に合わないため、

急遽、稑が買い出しに走っていた。

 

急ぎながらも、細心の注意を払って運んでいた。

 

その時だった、

 

両手一杯に、ブランドのショッパーを

下げた女性が、

勢いよく、ドンっ!

ぶつかり、

 

稑と、稑の下げていたコーヒーショップの紙袋が飛ばされ、

辺り一面に、コーヒーが飛び散った。

 

 

「あっ!!あぁーーーっっ!!!」

 

 

慌てて立ち上がり、飛び散っものを拾い始めた稑。

 

一方、ぶつかった女性は、

ちらっと稑の方を振り返り

 

「あなたが、ちゃんと見て歩いてないからでしょっ!!」

 

悪びれることなく言い放ち、立ち去ろうとした。

 

「。。。オイ、ちょっと、待て!

自分から、ぶつかっておいて、それかよ?

何か言うことないのかよ。」

 

ん?制服?女子高生か。

 

どこかで見たことがあるな、、

この制服。。。

 

あぁ、英徳か。

 

はっ、お嬢さまってワケか。

 

女子高生の分際で、ブランド物なんか

買い漁りやがって。

 

「ナニ??あ、コーヒー??グチャグチャね笑

いいわ、これで、買い直したら??」

 

そう言って、1万円札を投げつけた。

 

 

稑の中で、プチっと何かが切れた。

 

 

「女の子だからって、我慢してたが、

もう限界だ!

オマエ、何様なんだよ!女王様か?!

性根が腐ってるようだな。

 

いいか?

 

食べ物を粗末にするな!お金は、大切に扱え!

 

親に教わらなかったのか??

 

そのコーヒー1杯のために、どれだけの人が働いてるのか、知ってるか?? 

 

今、オマエが投げつけた1万円、

1万円稼ぐために、どんだけ働かなきゃいけなか、知ってるか??どーせ、親の金で遊んでばっかで、働いたことなんてないだろうっ!!」

 

気づくと、大通りのど真ん中で叫んでいた。

 

迫力に圧倒され、

女子高生は、ボー然と立ち尽くしていた。