L'homme du destin 〜運命の人〜 花より男子二次小説

花より男子二次小説。漫画の展開からのタラレバ話を世代を超えてつくってみました。自己満足レベルなので、あしからず。


目の前にいる、見知らぬ男に怒鳴られ、ボー然としたままの梓。

 

今まで、怒鳴られたことなんてない。
ましてや、人前でなんて。

 

この状況が見世物になっている恥ずかしさや、
私も被害者じゃない、という怒りとはうらはらに、初めて誰かに真剣に怒られたことに、

少し嬉しさに似たものを感じていた。

 

 

「おい!聞いてんのかよっ!?」

 

その言葉で、我に返る。

 

 

「これ、返す。」

 

コーヒーで、ビショビショになってしまった一万円札を拾い、ポケットからハンカチを取り出して、キレイに拭いて、梓に返した。

 

 

「まあ、オレも急いでて、周りが見えてなかったからさ。。。」

 

黙ったままの梓に、言い過ぎたかな?と反省しつつも、

「じゃ。」

 

そっけない言葉をかけたあと、慌てた様子で、どこかに電話をかけながら走り去っていった。