⑦
「佐伯君、申し訳ないんだけどさ、
また、おつかい頼まれてくれない??
新しいコーヒーマシンが、まだ届いてなくて。」
田中さんが、少し申し訳なさそうに話しかけた。
「全然、いいですよ!!
この間は、オレもご迷惑かけちゃいましたし。」
「いやいや、こっちも無理させちゃったし。
今度は、5人分だから笑」
「了解しました笑」
稑は、会社近くのコーヒーショップに急いだ。
店の中に入ろうとすると、
入口で、見覚えのある制服姿の女の子が、
こちらを見ていた。
「ん?あっ!!君、この間の!?」
「あ、そうです、、、ハイ。どうも、、」
稑に、軽く会釈をする梓。
「あの、、、この間は」
二人とも同じタイミングで話し始めた。
「あ、どうぞ。」
この間とは打って変わって、大人しい雰囲気で、先を譲る梓に、 戸惑う稑。
「あっ、、あぁ。その、この間は、ちょっと
言い過ぎたっていうか、大声で怒鳴ちゃって
、なんか、その、すみません。」
稑は、梓に向かって頭を下げた。
「私も、、、その、あなたに言われた事で、
大切な事を思いだしました、、、ありがとう。」恥ずかしそうに、俯き加減で話す梓。
「。。。もしかして、ここでオレが来るの待ってたの??」
「えっと、、待ってた、というか、またここでお会い出来るような気がして。。」
随分キャラが変わるもんだな、と思いつつ
「なにそれ?やべーな笑
なんだよその勘、占い師かよ笑」
予想の言葉に笑う稑。
「ホントっ!今思うと、ヤバイですね?私。笑」
一緒になって笑う。
「アンタさ、今のほうがカワイイよ。
いつも、そうしてたら?笑」
えっ??
返す言葉が見つからない梓を置いて、
稑は、急いで店の中に駆け込んで行った。