⑫
待ち合わせの店の前で待つ梓。
この間、稑が言っていた〝お気に入りの場所″に、今日こそ行く約束をしていた。
チラッと時間を見た。
約束は、15時。。。
時間は、15時30分。。。
どうしたんだろう、、、
やっぱり、会うのイヤになっちゃった??
なんで、連絡もくれないの??
不安でいっぱいの梓は、その場にしゃがみ込んでしまった。
「ねぇ、ねぇ、大丈夫?どうかした??」
優しい声で、話し掛けてくる声。
「あっ、ああ、大丈夫です。。。」
立ち上がろうとすると、手を差し出してきた。
「女の子が、こんなところに1人でいちゃ危ないよ。しかも、君、相当カワイイし笑」
優しいフリして、危なそうな感じだと思い、
その場から逃げ出した。
「なぁんだ。思ってたより、カワイイ子じゃん。道明寺梓チャン笑」
逃げて言った梓を目で追いかけながら、その男は、不気味に笑った。