②
梓は、久しぶりに司と食事をしていた。
「梓、おまえ、本当にいいんだな?」
梓は、しばらく黙って答えた。
「はい。玲人さんは、優しいですし、
何度か会ううちに打ち解けてきました。」
「、、、そうか。お前が納得してるんだったら、オレは何も言わない。」
「お父様も、お母様とお見合いだったんでしょ?」
「梓、オレは道明寺の跡継ぎとして、結婚したんだ、、、1人の男としてではなく、道明寺の人間としてだ。」
「もちろん、お前の母親の事は嫌いではなかった、、、、
オマエは、家のことを考えずに、1人の人間として、自分の生きたい道を行ってもいいんだぞ。自分で、選べるんだ。」
「どうして、そんな事言うの??」
「後悔して欲しくないからだ。自分の人生だ。
誰のものでもない、誰かに指図されて決めるものじゃない。」
梓に、ある気持ちがフッと蘇った。
しばらく忘れていた気持ちだった。