③
ピンポーン
佐伯家のインターホンが鳴った。
「はーい」
つくしが返事をしてドアを開けると、稜と女の子が立っていた。
「稜、おかえり。あら、こちらが例のお嬢さん??」
「うん。あっ、これがオレの母さん。」
「はじめまして。
今日は、お招きありがとうございます。」
梓は、お辞儀して、挨拶をした。
「さぁ、入って入って!待ってたのよ〜」
ダイニングに入ると、テーブルの上にいろいろな料理が並んでいた。
「母さん、今日はりきったね!」
「そうよ〜、沢山作ったから、沢山食べてちょうだいね。」
つくしに促され、席に着いた。
「はじめて食べるものばかりかもしれないけど、召し上がれ。」
3人の誕生日会が始まった。
一通り、食事が終わり、デザートのケーキを食べていた時だった。
「あっ、そういえば。お嬢さんのお名前聞いてなかったわね、うっかりしてた笑」
「あっ、オレも言いそびれてた笑」
「じゃあ、自己紹介してくれるかしら?」
つくしは、梓に笑いかけた。
「はい。私は、道明寺梓と申します。」
つくしは、その言葉に凍りついた。
「えっ??ど、道明寺??」
「はい。珍しい名前ですよね?」
「母さん知ってる?道明寺グループって?
彼女のお父さんが社長なんだよ。」
つくしは、返す言葉がなかった。
そして、そのまま、梓が帰るまで、黙ったままだった。