⑦願い
日曜日の午後。
つくしの家で、つくしと優紀がお茶をしてる。
「優紀のお菓子って、ほんっと、おいしいっ!!」
「へへ。ありがと」
「また、腕上げたんじゃない??
お店やれるレベルだって!!」
優紀は、大学の先輩と結婚し、
専業主婦になっていた。
高校時代に、茶道を学んだことをきっかけに、製菓に興味を持ち
栄養学の道にすすんだ。
今では、2人の子供を持ち、
陰ながら夫を支えている、
幸せな家庭を築いていた。
「つくし。今日、稜クンは??」
「なんかね、この間から、バイト始めたみたいで、日曜日だってのに、朝から出かけたみたいなのよ〜」
「久々に会えると思ってたのに、残念~。
でも。。。フフっ笑」
「えっ!?何?なんで笑ったの?今」
おいしい、おいしいと、お菓子を頬張るつくしを見つめながら、
優紀は、高校時代につくしが西門達から、
「勤労処女」と言われていたのを思い出した。
血は争えないな。。。と、
同時に、この親子の幸せを心から願っていた。