⑧騒動
「佐伯くん、日曜日なのに手伝ってもらっちゃって悪いね~。」
「いえ、いつもお世話になってる田中さんのためなら、何でもやりますよっ!」
腕まくりするポーズをしながら、
爽やかな笑顔で稜が笑う。
来週の会議に備え、
休日出勤している田中に呼ばれ、
資料のコピーを手伝っていた。
「そうえいば、この間の騒ぎ知ってる!?」
「騒ぎって、何のことですか??」
「いやさ、ウチの社長と若い女の子が、フロアで抱きついてたって話だよ!」
「へえ~、そんなことがあったんですね」
稜は、あまり興味なさそうに返事をした。
「あれ?あんま興味ない感じ??
あれは、親子ぐらい歳離れてるんじゃないのかな~??びっくりするくらいの美人でさ、
どっかのモデルかな~??
うちの社長も、相当なイケメンなのにさ、
まだ独身なんだよね~。
あ、もしかして、、、、ロリコンっ!!?
かなぁ~。
え~でも、そうだったら、残念だなぁ。。」
「田中さん、いったい誰狙いなんですか~笑」
さあ、とっとと仕事進めますよ!と、
田中の背中を、ポンっと稜が叩いた。
花沢社長って、独身なんだ。
写真で見たことあるけど、男から見ても
相当キレイな顔してたな。。
そんな人だったら、恋人の一人ぐらいいても
おかしくないだろう。