②
結局、梓は、無理やり車に乗せられていた。
「だからっ、何でもないんだって!」
何であそこにいたのか?
一緒にいたヤツは誰なのか?
問い詰める司に、苛立つ梓。
「いいでしょ?別に悪い事してたわけじゃないんだし。チョットした、知り合いなだけなんだから。」
「チョットした知り合い??
名前ぐらいは、知っているんだろうな?」
「名前?。。。」
「名前も知らないヤツと一緒に、うろうろしていたワケか??」
黙り込む梓。
「梓。自分がどういう立場の人間か、分かってるんだろうな??」
「見ず知らずのヤツに、付いて行っていいと思うか?何かあってからでは、済まされないんだぞ。」
顔下に向けたまま、何も言えない梓。
この、じゃじゃ馬娘が!と思いながら
自分の過去と、重ね合わせしまう司だった。