L'homme du destin 〜運命の人〜 花より男子二次小説

花より男子二次小説。漫画の展開からのタラレバ話を世代を超えてつくってみました。自己満足レベルなので、あしからず。

アルバイトに出勤する稜。
その姿をみつけた田中が、焦った顔をしてこりらに向かってくる。

 

 

「あっ!!佐伯くんっ!

やっと来たっ!君、何かしでかしたのっ!?」

 

冷や汗をかきながら、困った顔で迫ってくる。

 

「えっ?オレがですか??」

 

何かしたか??と思い出そうとするのもつかの間、

 

「しゃ、社長がお呼びなんだよっ!

キミの事!!」

 

よくわからないまま、田中に社長室に連れて行かれた。

 

 

 

「申し訳ありませんが、社長が佐伯さんと2人だけにして欲しいとの事ですので。」

 

入り口で秘書にそう断られ、心配そうな顔をして戻っていく田中に、大丈夫ですよ、と軽く声をかけた。

 

 

社長室のドアをノックした。

 

 

「どうぞ。」

 

 

「はい、失礼します。」

 

 

 

「君だよね、佐伯稜クンって。」

 

書類を片付けながら、話かけてきた。

 

 

「はい、そうです。こちらで、アルバイトさせて頂いております。」

 

 

「この間、下で会ってるよね?」

 

 

「は、はいっ。エレベーターのところで、お会いしました。」

 

 

「うん。」

 

 


少し沈黙したあとに、切り出した。

 

 

「あの?僕が何かしましたでしょうか??」

 

 

「うん。この間一緒にいた子の事なんだ。」

 

 

「はあ。」

 

そういえば、彼女の父親と花沢社長が一緒にいたな。

知り合いなんだろうか、、、。

 

 

 

「彼女のこと、何か知ってる?」

 

 

「えっ!?いや、特に何も。この間偶然あったばかりですし、つい先日名前を知っただけですから、、、。」

 

 

「あの子、あの時オレと一緒にいた道明寺司の娘で、道明寺梓。ちなみに、道明寺司は、オレのガキの頃からの親友。」

 

「そ、そうですか。」

 

 

「重ねて言うと、あの子はオレの娘同然ってこと。」

 

 

「はっ、はい。」

 

「佐伯稜クンだっけ?国立K大の1年生なんだね。」

 

 

「はい、そうです。」

 

 

「彼女のことどう思ってる?」

 

 

「えっ?どう思っているかとか、まだ偶然会ったばかりですし。何とも、、、。名前以外は知りませんから、、、。」

 

 

「そう、そうか。」

 

 

「は、はい。」

 

 

 

「何かあったら、オレに相談しなさい笑」

 

 

「い、いや、、、。」

 

 

 

「まあ、これから何かあったらの話だから笑」

 

 

「はっ、はい。よくわかりませんが、、。

ありがとうございます。」

 

 

「それだけだから、もう戻っていいよ。」

 

 

失礼しました、とお辞儀をして、退室した。

 

稜が帰ったあと、類は何かの書類を哀しげな顔で見つめてた。