⑧
授業を終えて、帰ろうと大学入り口に向かった。
!!
目の前に、見覚えのある制服姿の女子高生が立っていた。
えっ!?
まさかっ。
そう思いながら、走り出した。
「おいっ!!こんなことで何してんだっ!!」
びっくりした様子の梓。
「あっ~!!っやっぱりいたんですねっ!!」
嬉しそうに叫ぶ。
「じゃなくて、何でこんなとこにいんの?」
「あの、、、その、ここの学生だって聞いたから、来ちゃいました。」
「えっ??なんで??」
聞かれた理由を答えられないまま、話をそらす。
「そういえば今日はお休みだって、さっきお友達から聞いたんですけど。。。」
「え?オレいたよ。誰だよ、そんな事言うヤツ。」
でも、まあいいっか、と思いながら、一緒に駅に向かって歩き始めた。
「そういえば、お互いちゃんと自己紹介してなかったね。」
「そっか。私は、道明寺梓、英徳学園の1年です。」
「オレは、佐伯稜、K大の1年です。」
やけに仰々しい挨拶に、二人ともふきだした。
それから、駅までの道のりを一緒に歩いた。
なんだろう、、、、
まだ、好きかどうかもわからない。
でも、なぜか
会うたびに、気になる存在になっていく、、、。
懐かしい感覚になる。
これは何なんだろう。。。
お互い不思議な気持ちで話していた。