第4章①
17時になっていた。
稑は、何とかうまく誤魔化して、芙夏から解放されていた。
とりあえず、待ち合わせ場所に走った。
しかし、すでに梓の姿はなかった。
あぁ、やっぱり。。。
もう、会う事もできないんだろうか。。
その時、稑の背後から
梓がやって来た。
「あ〜怒やっとした〜、ちょっと、何時間またせるのよっ!」
待ちくたびれた顔で、梓が言う。
「えっ!?な、なんでいるの??」
「なんでって、待ち合わせしたじゃない。変なの笑」
「変なのって、自分が変でしょ。何時間待ってんだよ、フツーは帰るだろう??」
「だって、約束したから。」
そうか、、、。
約束したから、、
信じて待ってくれていたのか。。。
純粋な梓に、心が揺れた稑だった。