③
「今日は、例の場所ムリそうだな。。。」
「そうだね、大遅刻したし笑」
「だから、ゴメンって!」
話してながら、並んで歩く、稑と梓。
他愛のない話しをしていた。
「ねぇ、稑君って、兄弟いるの?」
「ううん。オレは、一人っ子」
「えーっ、私も。
じゃあ、家族3人暮らしだ。」
「いや、、、父親が小さい時に亡くなってるから、母と2人暮らし」
「そうなの??実は、私も小さい時にママが亡くなって、、、今はパパと2人なんだ。」
「そうか。。。」
「何か同じ境遇だね。」
ニコッと笑った梓の顔が、少し引きつっているのを感じた。
「、、、何か、悩みでもある?」
「う、ううん。ただ、よく私のいる環境って特別だって言われるんだ。。。でも、それが、まだよくわかんないの。」
「ふーん。オレから見たら、英徳に通うお嬢様って時点で、だいぶ特別だけど?」
「ある人に言われたんだ、、、この先、私は、他の人よりも、多くの良い事、悪い事の選択を迫られることになるって。」
「自分だけの為の人生じゃない、って事、言いたいのかな、その人は、、、?」
稑が、ぼそりと言った。