③
黒塗りの高級車が、佐伯設計事務所の前に止まった。
家の、チャイムを鳴らす。
「ピンポーン」
「はい、はーい。ちょっと待っててくださいっ!」
インターホンの向こう側で、ドタバタしている様子がわかった、相変わらずだと、くすりと笑った。
「ゴメンなさいっ、お待たせしま、、、」
ドアを開けたまま、止まっていた。
「久しぶりだね、牧野」
笑顔で語りかける。
「はっ、花沢るっ、、花沢類なのっ??」
目を丸くして、こちらを見ていた。
「えっ!?ど、どうして、ここに、、??」
「とりあえず、中で話さない?」
家の中を指して、にこりと笑う。
「どっ、どどどうぞ。」
まだ動揺しているつくしをして、
笑っていた類だった。