第6章①
稜は、新プロジェクトの会議に出席していた。
「今回、神崎HD側の責任者になります、神崎玲人です。よろしく。」
「マジか、、、責任者だってよ。大丈夫かよ、、経験ないのに。」
稜の先輩達が、またコソコソと話をしていた。
それを察してか
「皆さん、ご存知の通りドラ息子なので、
お手柔らかに。」
皮肉たっぷりに堂々と言ってのける玲人に、
稜は思わず笑ってしまった。
会議終了後、先輩達は、バツが悪そうにそそくさと部屋を後にしていった。
稜は、1人残り会議の内容をまとめていた。
「お疲れ様でした。」
玲人が声を掛けた。
「あっ、ハイ。お疲れ様でした」
「君も、新人君なの?」
「ハイ、今年入社したばかりで。。。」
「じゃあ、同じだね。オレも今年から、親父に会社には入れって言われてさ。」
「そうですか。」
「お互い頑張ろうよ、よろしく」
「あっ、ハイ。よろしくお願いします。」
部屋を出て行く玲人に一礼する稜。
妙に親近感が、湧いていた。