⑦
「母さん、母さんが父さんとデートした場所って、どんなとこだった?」
唐突な質問に驚くつくし。
「なっ、何?急に。」
「いやさ、母さんと父さん達って、昔どんなとこでデートしたのかなって思っただけ。」
「何よ、急にそんな事聞いてくるかと思ったら。えっ?まさか、とうとう彼女出来たのっ??」
「彼女かどうかは、わかんないけど、付き合ってる子はいるよ。」
「何よ〜、アンタは。もう、付き合ってるなら、彼女じゃないのよ。」
「う〜ん、付き合ってるけど、まだ気持ちは分かんないんだよね。」
「中途半端な気持ちで、お付き合いして相手の事、傷付けちゃダメよ。」
「なんかさ、好きかどうかわかんないのに、付き合う、って感覚、母さんわかる??」
昔、期間限定で司と付き合っていたことがあったっけ。
あの頃は、まだ自分の気持ちがハッキリわからなくて。。。
「母さん???」
「あっ、ゴメン。ぼっーとしてた。
とにかく、相手の気持ちも大切だけど、その気持ちに、自分が正直な答えを出すことが、相手にとっても誠実なんだからね。」
「わかってるよ。」
「キチンとお付き合いすることになったら、うちにも連れて来なさいね。」
「わかったよ〜」
なんだよ、結局母さん達の話聞けなかったじゃんか、とブツブツ言いながら、稜は自分の部屋に戻っていった。