⑫告白
梓は、買ったばかりの新しい洋服に着替え、
出掛ける準備をしていた。
「梓!今日、ヤバイね。いいよ、その感じ」
美作姉が、スマホを触りながら呟いた。
「マジ、エロい!!ノーサツ系」
美作妹も続く。
先日、美作妹に、自分の思いがバレてしまい、
あれよと言う間に、姉にも伝わり、
今日あの人と会う約束を、勝手にこじ付けられていたのだ。
わかってる、こんな小娘が、大人ぶって
大胆なドレスを着たって、
きっとあの人は、気にも止めてくれない。
あの人の中で、私はいつまでも、2歳のままなんだ。
でも、他の誰かになっちゃうなんて、絶対イヤっ!!許せないっ!
お見合いなんてさせないっ!!
「我ながら、完璧だわ。これで、落ちないオトコはいないわよ。」
梓にヘアメイクを施した西門麗香も、自信たっぷりに言い放った。
「麗香、マジサンキュ!やっぱり普段から、
着付けとかやってるだけあって、器用だね。」
自分では、なかなかこうはできないな、と思いながら、鏡に映った見慣れない自分に見惚れていた。
「梓のママって、ハーフだったんでしょ??
やっぱりさ、ザ、日本人の私達とは、もともとの素材が違うのよねぇ〜」
「そうよねぇ、梓パパも美形だし。
こんなキレイなコ、 ほっとかないって!!」
美作姉妹が、スマホでパシャパシャ梓を撮りながら、騒いでいた。
ルイ君。。。
どう思ってくれるかな??